先日twitterで「マルテの3球目」がトレンド入りしたそうです。
簡単にまとめると、2021年7月12日に甲子園で行われた阪神vs横浜戦の9回裏2アウト打者マルテの3球目の場面、ストライクなら三振で横浜が勝利のところをボールと判定され、結果サヨナラ負けしたことで話題になりました。

判定対象となったコースの動画はググってもらって各自ご判断いただくとして、この試合で3点差を逆転サヨナラ勝ちした阪神は、しかしその後の試合で横浜に連敗してしまいます。

直近の成績が振るわなかった首位の阪神が劇的なサヨナラ勝ちしたことで再び勢いに乗るかと思いきや、そうならなかったのは少なからず審判の判定で勝利に「ケチがついた」ことも一因にある気がします。
ひとつの判定が横浜だけでなく阪神も、そして両チームのファンも皆モヤモヤする気持ちになってしまった感じかと。

こんなことがあったので、2年前に自分で書いたコラムを読み直してみました。

まず大前提として「誤審」は瞬間的にはラッキーになる球団や選手もあるでしょうが、基本的には誰も望んでいないことです。

で「誤審」をなくすスキル向上のカギを握るのは、審判に対する「収入の反映」に尽きると思うのです。
選手は、打率やホームラン、防御率や奪三振など、技術の向上が収入増加につながるのに、審判は正確なジャッジが当たり前で収入も増えない、でミスしたら罵倒されるでは正直やってられませんよね。

ちなみに審判の給料は「基本年収+試合出場手当」ですのでスキルと収入が比例しないシステムです。
実力主義でないことでスキル向上のモチベーションを妨げてると考えるのは私だけではないはず。

その打開案として2年前のコラムでは、スキルの高い審判の出場試合数を増やして年棒アップ、と書いたのですが、これだと一部の審判ばかりが出場してしまい経験の浅い若手審判が育たなくなってしまうので、ますは2年前の案は撤回します。

で、新たに「審判賞与基金」という制度を提案します。

この基金では選手や球団が、例えば年棒額の何%などの基準を設けて各々支援することとします。
集めた資金で、2年前にも書いたような評価システムを元に各審判に不均等に分配することで、スキルの高い審判の収入が増えます。
一流半の選手より収入の多い一流審判とか夢があってよいと思うのですが、いかがでしょうか?

当然ながら一部の選手は「なんで俺らが金だすんだ」と反対するかもしれませんが、よく考えてみてください。

冒頭の試合を例に出すと、サヨナラヒットを打たれた横浜の三嶋投手はセーブが消え、負け数が増えてしまいました。
単なる成績ダウンなだけでなく、仮に彼がシーズン終了時に最多セーブの投手より1つセーブが少なかったらタイトル獲得できなくなるのですから、年棒への影響は実に大きいです。

野球選手は成績を残すことで高収入を得ることができます。
ただ、その「成績」を判定するのは審判ですので、一流選手であるほど審判のスキル向上が結果的に我が身を救うのです。
なので審判のスキルに比例した収入システムを作ることは、もはや選手にとって「必要経費」なのではないでしょうか?

球団だって、すでにNPB経由で審判費用を払ってるのに「さらに出す金増やすんか」と反対するかもしれませんが、そもそも今までが審判の労働力に見合った適正額を払ってないだけでは?

なんならファンも支援できるようにすれば基金総額が増えて、そのうち一億円プレイヤーならぬ一億円アンパイアが誕生するかもしれませんよ。

まあ実際には障壁の高い提案であることは自覚してますが、「誤審」をなくすには結局のところ「質の高いジャッジに見合う費用を払う」というのが案外シンプルな解決策かな、と。
審判はボランティアじゃないんですからね。

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