儚さについて

2011年3月26日。

未曾有の大震災から2週間程経った後、遥か遠くメイダン競馬場でヴィクトワールピサ号が世界最高峰の競馬のレースの一つである ドバイワールドカップに優勝するという偉業を達成した。

二着にも日本のトランセンドが入り、震災で日本中がダメージを負っていた中、競馬ファンのみならず元気付けられた人も少なからずいるのではないだろうか。


さて、震災から3年と半月少しが過ぎた中、第75回菊花賞が行われた。

一番人気のワンアンドオンリーを抑えて、日本レコードでゴール板を駆け抜けたのはスペシャルウィーク産駒のトーホウジャッカル。
2011年3月11日生まれ。

奇しくも大震災と同じ日に生まれた馬が、最も強い馬が勝つと言われた菊花賞に勝利するとは何となく運命的なものを感じますな。



まぁ当日は、まさかワンアンドオンリーがコケルと思ってもいなかったであろうオッサン達と一緒に沈んでいたわけで。

そんなことを考える余裕すらなかったのは言うまでもない。





さて、1億2千万人が涙を流すような理不尽なことがあったので少しだけ書こう。



昼時にコンビニでレジの列に並んでいた時の話、日常にあふれる平和な時間。

前の客たちがレジを済ませて、やっと列の先頭になった。

(やっとレジをしてもらえるわ)と思っていると、別のレジにいる店員が「こちらのレジがあいていますので、どうぞー」


・・・


こういうの嫌じゃないですか?

並んでてもう次レジしてもらえるのに別のレジに移動するのって。


正直悪い予感がしたので、僕はもうこのまま並んでおこうと思ったんですけど、後ろをチラっと見てみたら結構な行列になってましてね。

それでもう無言の圧力に押し出されるようにして、呼ばれるがまま空いてるレジに移動したんですよ。



ところが、もうあと5歩くらいでレジに着くっていう、まさにその時。


もうね、買い物カゴの底が抜けるんじゃないかっていうくらいの商品をもったオバちゃんがサササッとそのレジに行って、ドーンッ!と買い物カゴを置いたんですよ。


あっ!


思わず声が出た。

でもね、まさか・・・そんな・・・わざわざ間もなくレジをしてもらえるお客さんを呼んでおいて・・・このオバちゃんのレジを先にするなんて、そんな理不尽なことありえないだろう。

と思っていたんですけど、店員は何事もなかったかのようにピッピッとそのオバちゃんのレジをしだしましてね。


あぁっ!


もうね、怒りや憤りももちろんありましたけど、この量の商品をレジし終わるのにどれだけ時間がかかんねんと。

これなら元の列に戻った方がいいんじゃないかと思いましてね。

戻ろうとUターンしたら、今度はその元の列に並んでるお客さんから出てくる、戻ってくんなオーラですよ。

あそこでね、列の先頭に戻れるだけの勇気・度胸は僕にはありません。



で、仕方なく列の最後尾に並びなおしたんですけど、もうその時には怒りとか憤りとかじゃなくて情けなさで一杯でしてね。

何で列の先頭にいたのが、列の最後尾にいるんだろうかと。

列に並んでる間、何故かずっと頭の中に平家物語の冒頭部分がループしてました。

・・・。

あぁ・・・世の中って儚い。




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