ダク踏み

 最近ジョギングを始めようと、ふと思い立った。始めるにあたって、足が痛くなるのはいやなので、クッションの良さそうなジョギングシューズを買うためにスポーツ店に行ってみた。最近、これに嵌る人が増えていると見えて、シューズ以外にもいろいろなウェアや帽子、ラップタイムを計る時計の類にサングラスなど、さまざまな関連商品が売られている。おお、これは一通り揃えるべきかと一瞬迷ったが、衝動的に始めてはみるものの、ずっと続ける自信は全く無いな、と冷静に判断。ウェアはとりあえず暑くなるまでは上下のジャージで良いことにして、予定通りシューズのみを購入した。シューズには初心者向けから上級者向けまである。どう違うの?と店員に聞くと、上級者向けは足にフィットして走りやすいが、筋肉ができていない初心者には向かないとのこと。これまた当初の目的通り、足が痛くならなさそうな初心者向けの踵のクッションが良いのを選んだ。

そして翌朝、期待と不安が交錯する中、いよいよジョギングを開始。初日に選んだコースは、片道1kmの最寄りの駅までの往復コース。スタートすると、買ったばかりのジョギングシューズが思いのほか走りやすい。ここの道は歩道が広くて、ジョギングやウォーキングをしている人が結構いるのだが、そんな人たちと比べても、自分のスピードは遜色ない。何だ、俺って結構速いんじゃねぇ?と思えるくらい快適に進んでいたのも束の間、次第に息が苦しくなってきた。なにくそっと根性振り絞って駅に着いた時には、ヒザに両手を着いて、ゼェゼェ、ハァハァ、もう本当に必死に息を整えることしかできない始末。こんな無様な恰好をしている市民ランナーは見たことないし、これはなかなか前途多難だぞ、と失意のまま歩いて帰ることに。

 これを普段ジムでトレーニングしているOさんに相談すると、走るのが速すぎるとの指摘を受けた。1kmを10分ぐらいの速度で、本当にゆっくりと走れば良いと。1kmを10分というと、時速に直すと6km。これって速めに歩く速度だ。半信半疑のまま、試してみることにした。ついつい速いペースになりがちなのを、ぐっとこらえて、ゆっくりと走る。走るというよりも足踏みをしている感覚だ。競走馬で言えばダク(速歩)を踏むってところか。するとどうだ。何と2kmを休まずに完走できてしまったではないか。しかもまだまだ余力もありそうだ。そうかこれだったのか。よしコツは掴んだぞ。というわけで、今のところ2日に一度ペースで、ダク踏みは続いている。距離も4〜6kmに増えてきていて、速度も少しづつだが上がってきている。まだ、近所で走っている人の中で、一番遅いのは事実だけど、キャンターに下せるのは以外に早いかもしれない。

 というわけで、もし次に書く時まで続いていたら、続編を書きます。


さい